東出祐一郎『ケモノガリ』
「隣の家の…………少女…………かなぁ」
ちょ、楼樹くんそれダブルミーニングになっちゃうよ! そりゃ、そっちの場合自動的に「美少女」という意味も含まれるけども!!
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それはさておき。 作者様のブログで書かれている「ホステルやろうとしたらセガール混じってた」という意見には大いに同意するところですが、どちらかというとワタシ的にはB級映画よりも海外冒険小説的読み筋で楽しんでおりました。 というか読んでる間は『シベリアの孤狼』あたりの作品群が脳内をチラついていたり。 極限環境下のサバイバルアクション/衣食住(お手製武器!即席クッション!鹿肉!)描写のさじ加減とか、“代償”を支払い己の本領(性能)/野生を取り戻していく心の有様とか、これもまた「気高い野蛮人」の系譜に連なる作品ですよなぁ、となっとくしたりしなかったり。 しかし、あのカウントがゼロになった時の事を考えると更にやるせねぇ話ですよ。 でも、面白かった。
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イラストを担当された品川宏樹さんもいい仕事しすぎ。 口絵のフリークス集団目にした時、あまりのステキ化け物っぷりに思わずガッツポーズとりましたわ。 喪服+ガスマスク+鉄の爪とか新たに目覚めるものが(目覚めるな)。