高遠るい『CYNTHIA_THE_MISSION 9』完結

 バイオレンス格闘群像劇もこれにて完結(第一部が)。 己の道をゆくが為に力を得るのか、力あるがゆえに己の道を突き進むのか、肉体一つでつらぬき通す我(ワレ)がままの美学。 「格闘」というツールで彼女らはなにを成すのか?的な。
 香港映画的泥臭さとチープである事すら面白さに転化されてしまうB級映画的手法を態々選び取って使うあたり趣味人でしたたかな作品/作者でありました事よ。 などど思いながらページを捲ってみれば巻末おまけ漫画でジョン・カーペンター監督作品の『ゼイリブ』話が。 これも高遠るい流トラップか。 いや、私も好きな映画ですが(あの延々と続くプロレスは映画史に残る名シーン)。


 第二部以降ではおのが拳で組織/国/世界に「我侭」をつらぬきとおして女勇次郎化していくシンシアのサクセスストーリーが語られていくわけですね。(サクセスかそれ?)


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CYNTHIA THE MISSION 9 (REX COMICS)

CYNTHIA THE MISSION 9 (REX COMICS)