「シャーリー」

シャーリー (Beam comix)

恥ずかしくも読む前は“メイド属性御用達”みたいな偏見に近いイメージを持っていたのですが、読んでみてその考えが大間違いである事に気付かされました。

フレームにこそ「主人とメイド」という主従関係を置いているのですが、実際作中で描かれるのは「何気ない日常の中のささやかな喜びと幸せ、あるいは悲しみ」といったところでしょうか。淡々と紡がれながらも自然な緩急をつけられたストーリーと善意の中で生きる登場人物達の表情や感情の描写が秀逸で、険の無い柔らかな曲のラインで流れる様に描かれた人物と風景のマッチングも見事。や、確かにこれは良い作品ですわ。

スカートふわっとスイッチバチーン！シャーリーかわいいよシャーリーな第一話「はじまり」とイタズラ好きの偏屈子爵とクールなメイドさんの心温まる交流を描いた「メアリ・バンクス」が特にお気に入りのエピソードです。

これは「エマ」の購入も検討せねば。