マブラヴ オルタネイティヴ
『マブラヴ オルタネイティヴ』 Insertion song Collection 「未来への咆哮」/「翼」/「Carry on」
- アーティスト: 影山ヒロノブ,遠藤正明 JAM Project,JAM Project featuring 影山ヒロノブ・遠藤正明・きただにひろし・福山芳樹,影山ヒロノブ,遠藤正明,須藤賢一,河野陽吾
- 出版社/メーカー: ランティス
- 発売日: 2005/05/25
- メディア: CD
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評価 :B-
満足度:A-
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オルタクリアー。
あー、長かった長かった。
クリアするまでに掛かった時間は、この間コンプしたホロウの半分程度なのですが、なんか主観的にはその倍くらい掛けたような気が。これが全編フルボイスの力なのかっ。
以下、クリアした勢いに任せてネタバレ考慮せずに雑感。
単純にエイリアンVS人類というSF戦記物として捉えるなら面白いと言える作品でしたが、並列世界+ループ物のSFとしてはジレンマに次ぐジレンマでフラストレーション溜まりまくりな作品だったかと。
プレイヤーは“並列世界なのにループしている”という奇怪な事象を少しでも解き明かそうと必死こいて頭動かしてるのに、人(夕呼)に言われた事を鵜呑みにして「自分自身で」与えられた情報や事象から物事を推理、推測するという事を欠片もしやがらねぇ主人公ってあんまりでしょー。
この主人公とプレイヤーとでのスタンスの違いのせいで、並列世界&ループ関係の部分では埋めようのない理解の差が生まれたのは致命的すぎます。ってか、物語を解き明かすうえでまず持たなければいけない「この世界で自分を観測しているのは誰か?」という、基本にして全てともいえる疑問を主人公であるタケルが最後の最後まで一考だにしなかったというのは情けなさすぎますわ。つーか、霞に教えてもらってようやく気がついたのか貴様は。
あー!もう!せめてepisode5で「リンゴの入った箱」の説明を受けた辺りで「あれ?もしかしてこの世界には自分自身以外にも“自分を観測しているもの”があるのか?」程度の疑問は持てよっ!UL時の“望んできた世界ではない”という事実、そして“何故か廃墟に変わっていた自分の部屋”+“「リンゴの入った箱」の説明”って材料はそろってるんだからっ!そんなんだから!そんなんだから純夏の覚悟が語られるシーンでプレイヤーがカタルシスを感じ損なう羽目になるんじゃねぇかぁぁァァァッッッ!!
……とまあ、スカポンタンな主人公のせいで並列世界+ループ物としては台無しな感じの本作ですが、SF戦記物としていは先にも書いた様に真っ当に面白い作品でした。
いやもう戦場に生きるサブキャラクター達のアツいことアツこと。全員が全員「覚悟完了!!」状態。そりゃこんな激しい生き様見せ続けられたら筋金入りのへタレ新兵タケルくんも成長するってもんですよ。成長率は三歩進んで二歩バックダッシュなスピードでしたが。とりあえず「伊隅ヴァルキリーズ」の一騎当千的な特攻っぷりは絶頂モノ。「突撃前衛(ストームバンガード)の意地を見せろ!」
あと、前作も色々な作品をパロっていましたが、本作も様々な作品をリスペクトしてるっぽいですな。特に「宇宙の戦士」*2「ALL YOU NEED IS KILL」*3「戦闘妖精雪風」*4「グッドラック雪風」*5「太陽の簒奪者」*6「E.G.コンバット」*7「高機動幻想ガンパレードマーチ」*8辺りは顕著な影響がみてとれたかと。ま、知らなくても十分楽しめるのですが知っているとよりいっそう美味しく頂けるという感じで。
AGESを用いた動的演出は見事の一言。ただ、戦術機&BETAの戦闘シーンだけは状況が把握し辛いうえ使い回しの絵が多く、正直何回も同じようなシーンが続くとゲンナリ気味に。や、スタッフも頑張ってよく動かしていたとは思うのですが。んー、コックピットビューの演出は3D使ってるのになんで2Dに執着したんだろう?
あと戦場で響く爆音爆撃砲撃といった音の洪水(SE)は圧巻。や、すげぇ迫力でした。多分これがなかったら戦闘シーンの9割はショボくれたものに感じたんじゃないかな。
CGモード&音楽モード&回想モード全て無しというのはマジだったんですな。今時なんてユーザビリティの低い仕様なんだっ。映画のDVDだってチャプターリスト程度は標準装備なのにっ。専門用語ビシバシ使ってるのにTIPS機能もなかったしなぁ。正直この辺に関してはスタッフがなにを考えてるのかが理解できません。(セーブファイル当ててフルコンプ!みたいなことされたくなかったのかな?)
……と、ざっとこんなところでしょうか。人を選ぶ作品でしたが、個人的にはまあ満足です。
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あ、忘れてた。
純夏の■辱シーンはブラックジョークに過ぎます。
エイリアンに辱めをうける美少女って古より伝え聞くパルプマガジンの世界ではないですかっ。
シナリオライターはその辺解ってて書いてる辺り悪趣味です。
「わたしはもちろんストーリーテラーとしても超一流だ。少年のための物語とはかくあるべし。すなわち、最速の宇宙艦、奇怪な暗黒星団、異星の美姫、それに醜悪な複眼の怪物!」
「ぬるぬるのしょくしゅも?」
「もちろん、ぬるぬるの触手もだ!」
あやまれトレゴンシーにあやまれ!
*1:CDの評価:A 満足度:A
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*3: All You Need Is Kill (スーパーダッシュ文庫)
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