『M:I:III』感想

評価  :C+
満足度:C+

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 ん、ラストの展開が尻窄みだけど(せっかくフィリップ・シーモア・ホフマンがムカつく敵役を好演してたのに!)、トータル的に見てアクション映画としても『スパイ大作戦』の映画版としてもバランス良く出来ている作品だったかと。


 やっぱ『スパイ大作戦』の面白さは多種多様な小道具とプロフェッショナル達による小気味良いチームプレイだという事を再確認。バチカンでの潜入&誘拐劇なぞは実に見事。ついでに折角撮影許可がおりたんだから有名どころは全部使っとこうといわんばかりのミッションフィールドにも笑わせてもらいましたわ。バチカン博物館、サン・ピエトロ広場、サン・ピエトロ寺院と漏れなくミッションのポイントになってるんだものなあ。あと、バチカンが城壁に囲まれているというのは知っていましたが、実際に映像を見たのはこの映画が(意識している限りでは)初めてだったのでちょっと本編とは関係ないところで「ほんとだったんだ」と感心してみたり。


 『コラテラル』でもそうだったけどキビキビと動き回るトム・クルーズの動きは洗練されてて観てると気持良いね。手足を大きく振って頭を殆ど揺らすことなく走る姿なぞは惚れ惚れしますわ。あーでも、あれです。トム・クルーズ=イーサンくんはちょっと騙され過ぎだと思いました。観ている側としては「ちょっと!ソイツあからさまに怪しいだろおい!」と脳内ツコッミ入れまくり。ああそうか。これは普段ひとを騙してばっかりの人間ほど意外と騙され易いものだから気をつけろという教訓なのかもしれない……なんて事は欠片も思いませんよっ、私はっ。

 ま、ツッコミどころは多いけど、そーいう部分も込みで楽しい仕上がりになっている映画でしたわね。この際、隣の席に座っていたコーカソイドの人の足の臭気が鼻に付いて軽くダウナー気味に鑑賞していたという個人的事情はどうでもいいことにします。つーか、私的「笑い所」が同じ日本人の観客よりこの人と重なっていたというのはどーいうこっちゃ。

 
■追記:字幕が戸田のおばんばなので今更どーでもいーやとも思うのだけど、そろそろライフルと機関砲の区別くらいはつけられる様になって欲しいです。