いとうせいこう『ノーライフキング』が復刊していた事を今日知った

 書店に足を運んだものの、楽しみにしてた小林めぐみさんの初ハヤカワ作品 『回帰祭』 がまだ入荷してなかった腹癒せに先月文庫落ちした 古川日出男ボディ・アンド・ソウル を河出文庫コーナーでぐるぐるぐるーと冷やかしてて気がついたのですけど いとうせいこうノーライフキング って復刊してたんですな、文庫で。 何気なく棚に挿されてて懐かしいやらなにやらビックリしましたよ。


 というワケでビックリついでにそのままレジ持っててお金払って何時もは断るブックカバーしてもらって書店隣のタリーズでイートイン、ティラミスラテ(ほんとは「ロースト深めのブラジル・サントスNo.2」にするのがシャレてたんだろうけどね)片手に再読してみたのですが、やー、この本に書かれている事つまり 「人と人とのつながり/リアルへの幻想や信仰」 というテーマ/文脈の古びなさはちょっと苦笑ものです。
 子供の頃読んだとき漠然と 「これに書かれている事は人間が今のままの人間であるかぎり、ずっとつきまとう業みたいなものなんだろうなぁ」 なんて思った記憶がありますけど、実際、今の世の中/社会に置き換えてみても何一つ変わってませんものねぇ。 (むしろ内容的にはインフラ整備されている今の方が案外共感しやすいかも?)
 十数年ぶりに再読するのだから、もう少しくらいノスタルジーに浸らせてくれてもいいのに、と思わなくも無いのですが、そんな日はそれこそ人類が幼年期を終わらせてフリーランチの時代に突入でもしない限り訪れないのでしょうね。


 勇者達にはまだまだ 「賢者の石」 が必要なようですよ、ハーフライフ? 


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ノーライフキング (河出文庫)