「カルタグラ」体験版雑感

http://www.gungnir.co.jp/innocentgrey/
既にオフィシャルで予約注文済みなのでわざわざ体験版に時間を割く必要もないのですが、ちょいとテキストの読感を確認したかったので軽くプレイしてみました。


正直な感想としてはやはりというか予想どうりというか“テキストに重さが足りない”な、と。
個人的には時代背景や風景及び心理描写を精緻に書き表し場を創りだす“小説風”の文章を期待していたのですが、実際には“ドラマ風”のテキストといった感じですね、これは。
まあ、横溝正史調の予告デモに勝手な期待を持っていた私に問題があるのですけど、んー、惨念。


とはいえ、体験版から受ける作品の印象そのものは非常に良質。
美麗なCGに其れにあわせた演出とBGM、私の嗜好にはややそぐわなかったものの十分楽しく読めるテキストに魅力的なキャラクターと水準以上の完成度。ビジュアルノベルスとしては素直に期待できます。



あと、意外とコミカルな場面が多いのに少々驚嘆。例えば七七なぞはたこ焼き食いながら主人公への愛情表現にスカートたくし上げますし(まあ、そのあと唖然とする主人公を無視して当たり前のように殺人鬼について語り始めるのですが)、 凛さんは主人公の部屋で新妻ごっこしでかしますし(その後部屋を叩き出される)、初音はナイスドジっ娘ぷり全開ですし(つーか一夜限りの幻って、おい)、この辺りは「Quartet!」時の飯田和彦氏的雰囲気が微妙に漂ってますね。
……と、考えてみれば「Quartet!」もかなりシビアでシリアスな背景を持っていたんですよねぇ。主人公がめちゃポジティブな性格なのであまり気にしませんでしたが。



文章の縦書き表示は好き。むしろ大好き。「水月」や「こなかな」、「青空」も縦書き表示でプレイしてましたし。……ええ当方、縦書き文章を偏愛してますとも。(偏愛なのか)
ただ、この作品では視点によって切り替わる仕様なのが惜しいなぁ。



猟奇描写については期待以上の出来映え。
いきなりSNUFF的描写から始まりそのまま解体ショーに持っていくとは良く心得ているものです。目玉を抉り出すときの“クチュ”という効果音なぞ地味に生理にくるものが。やっぱり解体に使う道具は鋸より鉈ですよねぇ。
や、実経験はないのですけど。(あってたまるか)
CGも美しくおぞましい。



中田譲治氏の声は相変わらず艶っぽいですな。それもただの艶っぽさではなく底から乾いた感じ。それが実に良い。
なんつーか、ヒロインの声よりオヤジキャラの声に魅力を感じる自分の嗜好に疑問を感じないでもないですが、まあいいか。