とらドラ!

とらドラ!1 (電撃文庫)

とらドラ!1 (電撃文庫)

評価  :B
満足度:B+
タイガー(大河)&ドラゴン(竜児)。ナイーブで自分を表すことにとっても不器用な二人が巻き起こす青春恋愛騒動劇。


ジャンル的には前作「わたしたちの田村くん」と同じラブコメディなんですが、個人的にはラブよりコメディ、コメディより青春物としての要素が強いという印象を受けたかな?
そう感じた要因としては、主人公とヒロイン主軸になる二人の想い人がそれぞれ違うことや第三者視点で物語が進むということが上げられるのですが、やっぱりP.194からの一連のシーンに強い共感を覚えたからですかね。や、私も中二の時に同じような心理状態とシチュエーションで電柱相手にストリートファイトした経験があるので。(逃走後、近所の住人が学校に通報→翌朝全校集会というコンボも発動させましたしね!……マジ御免なさい)

無論そういう行動は傍から見ればアホでバカで下らない無様な行動以外のなにものでもないのですが、それでも少年&少女期というのは、ままならない人生に対して吼える獣になりたいときというものがあるわけですよ。それをストレートに体現して見せたこの大バカ二人の姿が懐かしくもいとおしくて可愛くて。
あー、もう!あたまグリグリ撫でてあげたいー!つか、「Noel」をプレイした時も思ったのですが竹宮ゆゆこさんって、こーいう不器用な少年少女を愛情を持って書ける方ですなぁ。


うん。この作品も面白かった。この二人の関係には「戦友」って言葉がピッタリだと思いますね。
サブキャラクターも賑やか楽しい曲者揃いですし、次巻の二人の活躍(?)も楽しみ也。でも、活躍しすぎてどこぞの部室の壁をブチ抜いたりしないように気をつけて! (そういう事もやったのか貴様は)
……反省はしているが、そういう生き方を選んだことは後悔していない。

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あと、本編そのものには関係ない話ですがP.154の竜児の台詞

「焼き菓子はたいてい店で買うより自分で作ったほうがおいしくできる」

というのは真理ですね。
お菓子作りを生業にしている私が言うのも変ですが、焼き菓子、特にクッキーに分類されるものに関しては、お店で買うより自宅で焼かれたものの方が性質上美味しいものが出来ると思います。やはり焼き菓子である以上“焼きたて”というものが味わいとして最高の瞬間になりますね。(無論クッキーにもバトネ・フロマージュ・サレのように一晩おいた方が美味しいものもありますが)

そういう訳で、当工房にて焼き菓子をお買い求めの際は焼きあがり時間であるAM9:30〜10:30、もしくはPM2:30〜3:30にお越しくださることを是非お勧めします。(何処の誰に対して営業してますか貴方は)