塵骸魔京

評価  :B-(私はPC版プレイ済み)
満足度:B-
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 命短し恋せよ乙女。


 PC版『塵骸魔京』でそれとなくミステリアスさを漂わせる程度で収まっていた『牧本美佐絵』ルートと言えるべきノベライズ版。
 読み終わった感想としては、PC版『ヴェドゴニア』発売日を一ヶ月延期させて『リァノーン』ルートを入れた様に、どうしてこれをPC版に入れなかったのか、と少々残念な気持ちです。
 主人公達と読み手との共感性、感情移入による精神の高揚いわゆる「燃え」という要素に置いて、間違いなくゲーム最良シナリオとなっていたでしょうに。というかラスト間際の牧本さんと克綺の「抱擁」には痺れましたわ。そこに到るまでの諸々込みで。
 出番は少ないながらも物語の脇を飾るキャラクターも非常に魅力的に書かれていたのもマル。“風歩”と雪典が互いを認め合うシーンなぞは短いながらも印象的。
 個人的には残された者の悲しみと喪失感に満ちたラストも好みでした。
 まあ、少々展開があっさりし過ぎてるのと状況に対するフォローが足りてない気がしないでもないですが、ここは単純にシチュエーションに中てられときましょう。


 ん、良きノベライズでした。


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 あと、私的エンディングテーマは『結晶』
 歌詞がラストのイメージにピッタリ。

 
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