『僕たちは歩かない』

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 登場人物が揃いも揃ってシェフの卵たちで、そんなやつらが/26時間制の/無人の東京の/無人の厨房で/競い合うように料理の腕を磨き合う、つー段階で「あ、拙い。拙いぞ、これは」と感じてたのに、主人公が「雪の味を表現しよう」なんてこと言ちゃったもんだから、さあタイヘン。“ココロの中の彼の人”が「ちょっと私も混ぜてくんない?」と起きてきた。こうなっちゃったら、もうお終い。マジになったシェフパティシエの“業”の前では、フルカワヒデオ言語/文体だろうと、ギリシャ神話だろうと、クリスマスファンタジーだろうと、もはやなんの意味も成さなくなる。趣味に仕事の面(ツラ)が出てきたら、そこでアウト。


 本の内容?  覚えてないよ、そんなの。


 頭の中を占めるのは

 
 「私なら雪の味をどう表現するだろう?」


 ただ、其れだけ。

 
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 オルフェウスは振り返らねぇよ。
 

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■参考

僕たちは歩かない

僕たちは歩かない