『荒野に獣 慟哭す』が豪快に打ち切られていて途方にくれるの事

 マガジンZが2月で休刊するというアナウンスは聞いていたので覚悟はしていたものの、『荒野に獣 慟哭す』9巻 のコチラの予想をちょっいとばかり上回る豪快な打ち切りエンド加減に途方にくれるの事。
 てか、それまで刻んでいた物語のリズムを僅か三ページで破壊しやがりましたですよ!? 「俺たちの戦いは、はじまったばかりだ!(作者)」 「いやいや、まだはじまってもねぇよ!(読者)」的な!? 打ち切りとはいえ、なんというかこう、もうちょい手心というものをですねーーっ!!

 などと、既に掲載誌も失われ、伊藤勢さんもユカタン半島のセノーテの水底へと消え去ってしまった今となっては空しい叫びなのですが。 (でも、たぶんどっかの酒と釣りの好きな奔放ノベリスタに釣り上げられてシブトク生き延びてるのではないかとフィィィ ッッシュ!) 意外と美味しそうだなー、両生類。 


 しかし、伊藤勢さんの代表作『斬魔剣伝』や『羅喉伝』が主人公一行が渡航するところで「第一部完」の打ち切りエンドを食らっている事を考えれば、海を渡りメキシコジャングルの奥深くまで到達できた今作品はこれでも長生き出来た方なのですよね。 ……なんか泣ける。


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 そういや、久正人『ジャバウォッキー』 も何気に7巻で終わってたんですね。 ラストの締めが(ひと盛り上がりはあったけれど)何時もどおりの子気味良い流れだったので読み終わってしばらくはこれで完結していたとは気が付きませんでしたわ。 つか、「次の話ではどんな大法螺吹いてくれるんだろう?」とワクワクしていた私の気持ちはいったいどうすればっ! 19世紀とくれば他にも侵食できるネタがありまくりでしょうに!


 あー、伊藤勢さんといい久正人さんと掲載誌に恵まれない方たちだなあ。 流行り廃りに惑わされず「この面白さは十年後でも通用する」と思わせる確固とした作風と、「静動、陰陽」を巧みに使い分ける画力を併せ持つ実力派の漫画家さん達だと思うのですが。
 comicリュウとかウルトラジャンプあたりが作品ごとサルベージしてくれないものかしら?
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荒野に獣 慟哭す(9) (マガジンZKC)ジャバウォッキー(7) <完> (マガジンZKC)