“I'm half crazy all for the love of you”

 初音ミクみたいな「機械の歌」のどこがいいの? 「人間の歌」の方が良いじゃない。


 ――という意見を目にすると、


 いや、違いますよ「機械の歌」だから良いのですよ。 だって「人間の歌」じゃ「人工知能/被造知性」へと続く未来への可能性を感じさせてくれないでしょう?


 ――と言わずにはいられない私は間違いなくSF脳でVOCALOID曲を聴いてるのでしょうね。
 はじめて初音ミクの曲を耳にしたときも、「(ベル研究所のIBM7094から46年を経て)ようやく機械の歌も市場に受け入れられる位に進歩したんだなあ」 という感動(むしろ感傷?)の方が強かったものですゆえ。


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 というか、子供の頃 映画『2001年宇宙の旅』 で自立機能を徐々に停止させられていく管理コンピューターHAL9000が必死になってDaisy bellを歌うシーンでボロ泣きした思い出のある私が初音ミクを否定するワケがない。
 例え歌っていたのがHAL9000の声を担当していたダグラス・レインだったとしてもですボロ泣きしていた私の純情を返せコンチクショ*1……いやいや、そうじゃなくて音楽というのは聴き手の心にズガンッ!と響いてしまえば歌い手が人であろうが機械であろうが関係ないという事をこの映画で経験的に学んだのです。 言い換えれば妄想次第。 


 嗚呼、はやくミクやルカ達専用のArtificial Bodyが開発されないものかしら! 彼女達がサーボモータの駆動音を唸らせながらステージで歌い踊る姿をリアルでみて観たいですよ!(「亡き女を想う」と書いて妄想)


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 今夜もまた、いずれかの未来で生まれるであろう人工知能/被造知性の産声を夢想しながら人力VOCALOIDメカ「R-72CHIHAYA」の『Daisy bell (R.U.R.U.R版)』に耳を傾けるのです。


 歌詞の意味もわからず覚えた言葉を必死に繋ぎ合わせているだけ感漂うこのタドタドしさが堪らんね。  


 あ、一応いっておきますが『ミラクルペイント』とか『ワールドオブマインズ』とか『恋は戦争』とか『逆さまレインボー』とか(中略)とか『クォーツ・ユニット』とか『ナトリウム』とか『シャンランぶし』とかのVOCALOID曲もモチロン好きですよ? マイリスの4割はボカロ系(MMD、歌ってみた等含む)で埋ってますし。
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2001年宇宙の旅 [DVD]

*1:でも、この事実を知っても尚、いまだ同シーンを観ると涙腺が緩む。