『東のエデン』1〜3話鑑賞

 これは面白い!
 少女漫画チックでポエミーな少女/ヒロインのモノローグからOASISが歌うOP「Falling Down」に繋げるという気合の入った導入部からして、タダモノではないアニメ感が漂っておりましたが、主人公の少年がホワイトハウス(とヒロイン)の前にフルモンティで登場するという予想の遥か斜め上をいく演出の前に一発KOされました。 斬新過ぎるよこの出会い!


 第1話を観た段階では記憶を失った少年/王子様のスキルと装備の充実度から、『ジェイソン・ボーン』シリーズやデイヴィッド・マレル『ブラック・プリンス』的な諜報員活劇モノかと思ったのですが、どうやらそれよりもうちょっと込み入った設定が張り巡らされた作品っぽく。 人狼BBS的要素を加えた特殊なメサイアゲーム+ボーイミーツガールな青春物とでもいうのかな? 腕力に頼らず機転とユーモアで不明の状況を切り開いていく捉えどころのない少年の姿が素敵です。 波止場でヒロインに手を差し出すシーンとかウェンディをネバーランドに誘うピーターパン(※もちろんディズニー版)の様な魅力を感じましたですじゃよ。
 つか、作品テーマ的に「ウェンディ=社会という現実に戸惑い、夢に居場所(というか一時的避難所)を求める少女」という図式はスタッフも意識している気が。
 第2話の映画ネタで現実主義者でバリバリのキャリアウーマンがタイムスリップして来た“白馬に乗った王子様”と恋に落ちるラブ・ストーリー作品をチョイスしていましたし。 ちなみに第3話で少女がリクエストした映画の元ネタ『グラン・ブルー』は「女子大生がかならず観る映画」とも言われている海洋ロマンの名作。 この頃のリュック・ベッソン監督は本当に良い映画撮ってたんですよねぇ。 しみじみ。  
 
  ともあれ、試合に勝てても勝負に負けるという特殊なゲームに巻き込まれている少年と、そんな事は微塵も知らぬまま惹かれつつある少女との関係が今後どのように世界に影響を及ぼしていくのか期待しつつ、次回を楽しみにしようかと。
 ただ、どうも展開が「この世に偶然というものはなく、全て必然で動いている」という風なのが、ちと先行きを不安にさせますが。 少年と少女の出会いにも作為的なものを感じましたし。 「なぜ最初、少女に銃口を向けていたのか?」とか。 「数ある偽造パスポート中からどうしてモールの壁に書かれていた名前と同じモノを選び出せたのか?」とか。 「セーフハウスに辿り着いたその日にタイミングよく切れたドッグフード=記憶を失う前の少年は記憶を失った自分が日本に帰ってくる時期を正確に予測していたのでは?」とか疑問はつきません。
 まあ、今のところ一番の疑問は「どうやってサラリーマンのおっさんからズボンを借りれたのか?」なのですが。 どんな交渉術をつかったんだろう? 「オレのジョニーがおっさんのより大きかったらズボン貸してよ」的に比べっこでもしたのじゃろうか?(見せつけてましたしね!)


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