イーオン・フラックス

評価  :C+
満足度:B
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『全身武器の美しき忍び』というキャッチコピーは嘘偽りにあらず。まさしく未来に生きる忍びの姿がこの映画にあり申した。但し若干「山田風太郎」テイスト。


バイオテクノロジーにより産み出された異能性に「忍者」という概念を組み合わせながらもまっとうなSF作品に仕上がっているのは賞賛に値するかと。
特に「情報伝達」及び「情報隠蔽」の為に多種多様なギミックが用意されていたのが印象深かった。つか、ハイテクなのにローテクスタイルなのは発展のプロセスにあるパラダイムシフトなんでせうか? いや、普通に木の葉隠水遁の術も使ってましたが。個人的にシサンドラにはもうちょっとポストヒューマンなアクションをして欲しかったなぁ。
あと、日本的美を意識したモダンな美術背景や小道具、画面作りも見事。色彩もですが円と格子の組み合わせとか相当計算しているんじゃないかしらか。円の曲線に光を当てて月に見立てるシーンなんかはちょっと懲りすぎてる感じがする位でしたし。


それにしても、グリフィスヘルムのようなフード付きタイトスーツ(ガッチャなんとか言う未来な忍者のスーツにも似てる)を着たセロンの魅せる肢体の美しさ。そしてスリットから覗きみえるガーターのヱロさはただ事ではありませんでしたなっ。これには私もプロジウム無しでは冷静ではいられなかった。ボディスーツ姿で繰り広げるアクションもセクシー。つか元々バレエダンサーを志していただけあってボディメイクが上手なんですよね。内腿とかすごく鍛え上げられてる感じですし。この足に挟まれて首をへし折られた兵士もある意味本望であったろう……。や、同じ目にはあいたくありませぬが。

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モニカンのリーダーっぽい赤毛の人が妙なアイコン性を発揮してたんで、何かの伏線かと注意しながら観賞していたんですが、結局たいして本編に係わらずに終わったのはちょっと肩透かしだったかな。つかこの人の正体って――――じゃないよね?

あと、映画冒頭から飛行船レリカルがなんで“あんなデザイン”をしてるのかも疑問でしたが、ラスト直前のあのシーンで納得。まあ、確かにアレもそーいうものですわ。

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ともあれ「微妙にダメそうな感じだけどそれでも観るの?」と友人に聞かれ、「シャーリーズ・セロンがヱロカッコ良そうな感じだから観る」とキッパリ答えた私は間違ってませんでした。(人間的に間違ってるけどな!)