陸小鳳伝奇

陸小鳳伝奇 (小学館文庫)

陸小鳳伝奇 (小学館文庫)

評価  :B-
満足度:C+

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 武侠作家として「金庸」とならぶメジャー作家である「古龍」。一度は読んでみたいと思っていた作家だったのですが、先日ブクオフでワゴン売りされているのを発見しサクッと購入してきました。で、読んでみたのですがこの古龍という方、武侠小説という形式に囚われない自由奔放な作風の方なんですな。


 舞台(ジャンル)設定は武侠片、ストーリーテイリングはミステリ、キャラクターの造詣は漫画的、情景描写は映像的、活劇シーンは剣豪小説風、物語は巻き込まれ型ハードボイルドと結構節操なくミックスさせている感じ。でも、それでいて読み辛いという事は無く、むしろ非常に高いリーダビリティを持っているというのは見事です。つか、この方の作風はラノベにも通じるものがありますな。


 個人的には、主人公である「陸小鳳」がほとんど格闘らしい格闘をしなかった(でも活躍はした)のにちょっと不満が残りましたが、抜いたら必ず殺す孤高の剣客「西門吹雪」に痺れたので良しとします。あと、色白の文系殺し屋“断腸剣客”「ショウ秋雨」も。
 苦い物語を和ませるラストもなかなか。


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 このシリーズの未訳五作品はやっぱりもう出版されないのですかね。
 このキャラクター達の活躍をもっと読みたいのですけれど。残念。


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