Scarlett 感想

評価　 :C+
満足度:C+

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

　映像作品(特定タイトルでは無い)に対するオマージュを強く感じ取れる制作スタイルだなあと思いつつプレイしていたのですが、スタッフコメントを読んで納得。やっぱり意識していたのか。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
　

　ねこねこソフト最後の作品は、世界を動かす力を持つ高級諜報家達の活躍を描いた謀略活劇的フレーバー漂う、落ち着いた雰囲気の作品。

　エスピオナージュ系作品の主人公は大別してスーパーマンタイプと等身大タイプに分けられるのですが、今作の場合は、どちらかというと前者に分類されるタイプ。映画で例えれば『007』や『ミッション・インポッシブル』。ただ、戦争するもしないも諜報家次第という世界観は『トータル・フィアーズ』のノリに近いですか。
　
　基本的に主役サイドが「絶対強者」なので、一般的謀略劇で味わえる駆け引きのスリリングさやプロフェッショナリズム、虚々実々のスパイ技術といったものの楽しみは少なく、全体的にパワープレイ中心で大味なストーリー展開になってしまっているのは残念なところかな。
　
　つか「渋めのエンタメ」を目指すのならキャラクターを強力にしちゃダメでしょう。無論、キャラクターが強力でも渋い物語はありますが、残念ながらこの作品はそれに該当しません。

■以下ネタバレ

　……とまあ、ここまで書いておいてなんですが、実はこの作品に置いて、諜報家うんぬんは非日常を演出する為の(ライターの趣味を兼ねた)手段でありストーリーのフレーバーに過ぎず、本質的な部分、作品の根底にあるものはゆきてかえりし物語なんですけどね。
　つーか、作品紹介読んでも、デモムービー観ても、実際にプレイしてみても途中までこの作品がどーいうものなのか私にはイマイチ解らなかったのですが、第三章読んでようやく気が付きましたわ。相変わらず鈍いね、私。

■キャラクター

・明人
　この作品のテーマにおける主人公。かなり無色透明なパーソナリティで、物語的にもほとんど活躍せずに終わった影の薄いキャラクター。内面的にも描写して、読み手に成長を感じさせてくれるようにしていれば、もうちょっと味が出てきたと思うのですが。ラストでの九郎との遣り取りもスマートではなかった。あと、映像作品を意識して作ったのなら男性陣にもボイスは必要です。

・九郎
　実質的に物語を動かす主人公。明人との係わり合いにより自分の生きる世界、立ち居値を確認。プレイ中、トム・クルーズ(＠『ミッション・インポッシブル』)のパチモノにしかみえなくなったのはまいった。個人的にはマット・デイモン(＠『ボーン・スプレマシー』)の方が好みだったんだけどなあ。ま、それは兎も角として女性ウケの良さそうなキャラクターではある。つーか、九郎と明人のコンビは発酵系女子的にはアリなのではないかと思うのですが如何か？(や、同意を求められても)

・しずか
　貧乳メインヒロイン。代理母から生まれた所謂レトルトベイビー。コーカソイド系でガンプラが趣味のヒロインなんて初めてみたよ。とりあえず浮気すると間違いなく9ミリで撃たれるかと。明人の部屋でヱロ本(たぶん巨乳系)を見つけて「あんまり無茶な要求しないでよ！」と泣きそうな声で叫ぶ姿がえれぇ良かったッス。あと、籐野らんさんマイク近すぎです。ボイス割れてる！ ボイス割れてるから！　

・美月
　時間は掛かったけど意地と執念と根性で九郎の隣位置を獲得した3X歳。まきいづみさんで酔っ払い演技は心底ヤバイと知った。「セーフ、ギリセーフ」　や、もうセーフというより満塁場外ホームランです(意味不明)。でも、正直、“あの服装”はどーかと思いますですよ。

・ナセル
　仕事は冷徹にこなすけど、それ以外では気のいいお兄ちゃんという感じ。実際、面倒見も良い。でも、日常的にガリルを持ち歩るくのは止めてください。や、これはこれで凄いコンシールド技術なのか。なのか？　ナセル＆明人のコンビも良いね！　脇役で終わってしまったのがもったいない。

・イリカ＆エリカ
　幸薄い系ヒロインズ。主役恪がボケキャラばっかりのこのゲームで唯一まともな人(達)。盆暗な男に惚れたばっかりに苦労の多い人生を送る破目に。アタシの人生泣き笑い。

・アメリア
　不遇キャラ。第一部から登場し、そのまま九郎チームの一員になるもほとんど壁の花扱い。でも二ネットよりはマシな扱いではある。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

■参考になりそうな映画