『世界樹の迷宮』探索記録 その1

 緑の木々を頭上に細い道を進むと、十字路の奥で道を阻むように立つ、一人の兵士が見えてきた。
 「執政院から連絡を受けている。君たちが新しい冒険者だな? 世界樹の迷宮へようこそ」
 君たちは目の前に立つ兵士に、質問を投げかけてもいいし、立ち去るのも自由だ。


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 迷宮に潜って1分。キャラクターより先にプレイヤーが死にました。
 (くそッ、やられた! 冒頭の「さあ街の門をくぐり進みたまえ!」という一文で気づくべきだった!)


 なんですかこの作品の随所に挿入される、特定の世代or人種を初速853m/sでぶち抜く勢いどころかむしろ貫通破壊する気満々だろそれ的なゲームブックナイズされたキラーテキストの数々は?
 スティーブ・ジャクソンとかイアン・リビングストンとか浅羽莢子とか(Fighting Fantasy!)そんな名前が頭の中でグルグルまわりまくってますよ?
 

 制作者サイドが影響化にあるのは間違いないのだけれど、それにしても趣味が良過ぎだ。
 

 ああ……何故かDSの液晶画面がぼやけててよく見えません……。(落涙しながら)
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 そうかぁ、このゲームは『Wizardry』を起点とするコンピュータロープレの原点回帰というだけでなく、テーブルトークゲームブックといったアナログロープレへの今だからこそ出来るデジタルなアプローチでもあるわけなんだんなぁ、と今更ながらに実感しましたですよ。
 

 うん。着眼点も着地点も、実に素晴らしい。
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 一見、地下迷宮探索型RPGの正統派スタンスなのですけど、その実、ゲームをゲームとして成り立たせる要素全てに「新しさ(当世風とでも言うべきか」を加味しているというアヴレッシブなスタイル。


 パーティ最大人数を5人にしているのもそうだし(6人編成と勘違いしキャラを1人余らせてしまったのは私だけではない筈だ)、モンスターからドロップしたり、収集スキルで手に入れたアイテムを売ることでお金が稼げるのもそう*1。しかも売ったアイテムがそのまま新装備&道具研究の材料に使われるというのは、システムとしても演出としても上手いやり方だと思いましたわ。
 

 というか、マッピングがすっげえ楽しい
 かつて五mm方眼紙と鉛筆を使ってカリカリやってた事が、今やっても「面白い」と思えるなんて私の中ではちょっとした発見。
 一歩一歩フロアを進み、自らの手を使い少しずつまっさらなMAPを埋めていく、この踏破感ときたら!
 温故知新とはこの為にある言葉なのかもしれない。
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 とりあえず、現在は地下2階。
 まだ潜ったばかりですけど、この階から登場した移動型モンスター「F・O・E」の存在におっかなびっくりしながら探索してますよ。
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 きゃー! 近づいたら真っ赤になって追っかけてきたー!
 全力で逃げろ!
 スタコラ逃げろ!
 驕れる者はドツボに嵌るのだ!

*1:この辺りweb小説『和風Wizardry純情派』なんかも参考(の一部)にしたのではないかとテキトーに予想。