中村哲也/星空めてお『uso799』

嘘屋

 嘘屋FC会報掲載作の総集編な腐り姫&セブンブリッジ本。
 裏表紙に天狗娘が起用されていたのは嬉しいサプライズ。 もとは星空めておさんの邪悪な決意から生まれた掌編キャラだったのにえらい出世したものですよ。 ええ、私も大好きなキャラですが。
 内容の方もページを読み進めるにつれ少しづつネタがカオス化していくさまがなんともステキに猟奇的です。 てか、ラスト数ページはアレですか。 ライアーソフト次回作の嘘予告というやつですか? 嘘なのにどの作品の事を予告していたのか微妙に解ってしまうような……気のせいだな、うん


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 収録されている SEVEN=BRIDGEアフターストーリー『寝床と窓辺』 が とうかんもり奇譚『辻の天狗』*1 と同じ読後感に終わるのは物語の行き着く先として自然な流れだと思うのですが、それ以上にこの物語に描かれている事は中村哲也さんと星空めておさんが共有/共感するアーキテクチャみたいなものなんじゃないかなー、と思ったり思わなかったり。 そうですね 「本来ならば出会うはずもない生き方をしてきた男女が運命/宿命的に出会い、手を取り合って引きつ惹かれつ歩んでいく未明の道行き」 みたいな。 ICO的と言い換えても通じるでしょうか。 


 いや、まあ 『SEVEN=BRIDGE』 だけじゃなくて 『腐り姫』 や 『CANNONBALL』 をプレイしたときにもこういう「物語の設計思想」についてはチラッとは考えていた事だったのですけどね。 この話を読んでてふと記憶の底から再浮上してきたものですから。

 むー、我ながら今更な話じゃ。  

*1:コラム掌編&漫画版共に『腐り姫読本』収録