緋鍵龍彦『唐傘の才媛』/アサイ『みんなミュージカル！』

■緋鍵龍彦『唐傘の才媛』1巻
　表紙の唐傘持った着物姿と旅館という舞台立てに(勝手に)大正時代物をイメージして手に取ったんで、口絵でPSPっぽいゲーム機が描かれているのに軽く騙された気分を味わったり。　宵闇みたいな物語かと思ったんだけど微妙に違うのね。　基本は女将＆ヘタレ眼鏡のから騒ぎ劇といいますか。　まあ、登場人物たちの胡散臭さは似たようなものですけどね！　　乙女さんにはヤンデレよりサイコキラーとしての味付けの方が強いように感じますなー。　社会的に越えたらいけない一線の向こう側の住人ですし。　つか、そういう「可哀想だけど生きてちゃいけないタイプの子」が受け入れてもらえる/存在できるアウトサイドワールドなお話も盛り込もうとしてるっぽいのですけど、ソコら辺をうまく描き切れてないのが残念かな。　　

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
■アサイ『みんなミュージカル！』
　舞台装置やパロディに頼らず、キャラクター達の何気ない日常のかけ合いからイメージを膨らませて笑いへと昇華させていくスタイルが作者の地力を感じさせて好印象。　けっこうストレートにエロネタが出てきたりするけど許容範囲です。　男子生徒を間に挟んだアツコ先生とカオリ先生の片思い(？)三角関係の先行きがタイヘン気になるので雑誌連載版で補完される事を期待。　つうか、恋愛免疫ゼロなカオリ先生の純情(ウブ)な反応が可愛ければ可愛いほど失恋した時の事を考えると心が痛みますわー。　そういやゴム製品ネタがあったけど、アレをボックスごと学校に持ってくるのは珍しいような気が。　私らが学生の頃はタバコの箱で製作した容器に入れるのが流行っていたのですけど(“ラッキーストライク”のパッケ使っているヤツとかいて「お前は一体どうしたいんだ？」みたいな)やっぱり今時の学生さんはそんな事やらないのかしら？　　
　

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
　あと、『唐傘の才媛』の

　小さーい！小さーい！小さーい！
　パパのよりちっちゃい！ふにゃふにゃ！しわしわ！
　皮でしっかり包まれちゃってミノムシみたい！
　ホントかわいい……

　より

　『みんなミュージカル！』の

　知らなーい！
　気持ちよくなんかないわよあんなの！
　これっぽっちも！

　の方が多分ダメージ大だと思うのですが、如何か？(如何もなにも)

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−