ざら『ふおんコネクト』3巻

 不覚にも表紙を捲った瞬間に吹く。 バスタブ違いにも程がある。 (でもどうせならサハリアーナ辺りでやって欲しかったネタですのう)
 そんなワケでキャラクター4コマ漫画としての面白さもさることながら、相変わらず物語の本筋とは関係ないところで描き込まれるマニアックな小ネタの数々が楽しい作品。 やわらハンマーに交流副長ときて元巻さんが局長か……ゴクリ(何か士道不覚悟的想像をしてしまったご様子)。 あなたをみかけた京のまち〜♪ と、まあ行殺な話はおいて置くとして、3巻では全体的に積み重ねてきた時間(巻き戻し含む)と共に培われた各人のつながりの深さを感じさせるエピソードが多かった気がしますな。
 交流のスペック高すぎる完璧主義者ゆえの不器用なぞは近い距離にいる人間だらこそ見えてくる部分なんじゃうろねえ。 それを理解し受けとめられる通果はいい娘さんですわ。 あと脇役トリオの出番も格段に増えて、それぞれのキャラクターの意外な一面が垣間見えましたのう。 イメージチェンジしたやわらさんにはビックリ。 でも、高校生の男の子に「そーいう機微」を要求するのは無茶ってモノですよ。  いや、そりゃまあワガママいうのは乙女/世界で一番のお姫様の特権でもありますけどね! それとP.91右側の話の子はうまくいってるといいなぁ、左側の話のヤツは解体されろ。


 気に入ったエピソードは以前感想を書いた#27のTRPG話と#38のエイプリルフール話、あとは#28のマッピング話かな。
 特に#28の校内デュマピックは(も)身に憶えあり過ぎな話だったり。 「学校を自由に歩きまわれるのは学生のウチだけ」だと考えていたので、中学高校共に昼休みなどで「今日は友達連中とバカ騒ぎする気分じゃないなぁ」という時に、ちょこちょこ学校内を踏破する事に時間を使っていたのですよ。*1 普段は入れない他学科の施設なんかは学園祭時のお祭り騒ぎに便乗して制覇したり。 理事長が管理していた立ち入り禁止の温室も園芸クラブに所属することで中に入る事に成功したり(蘭が素晴らしかった!)。 木造旧校舎の廊下のトラップ*2に引っ掛かりつつ辿り着いた管理している生徒会すら把握してなかった開かずの部屋も、羽目殺しの窓のガラスの一枚が外せる事を発見して侵入したりついでに出入り出来るようしてからは、たまーに入り浸たってたり。*3 でも、体育館地下倉庫の壁が崩れて開いた穴の向こうに広がっていた空間に侵入した時には本気で迷子になったり。 予想よりずっと広かったというのもありますが暗闇の中って本当に方向感覚が無くなるのですよ。 まさかリアルに左手の法則を使って脱出を図る日がくるとは思わなんだでしたなぁ。 結局すぐに地下倉庫の入口が封鎖されてしまい(当然ですが)体育館も夏休みに入ると「老朽化」が原因で取り壊されてしまったので、穴の向こうに広がっていたダークゾーンが一体なんだったのかは未だに謎のままなのですが、その代わり夕暮れ時になると空を飛び回っていたアブラコウモリが何処から現れていたのかはよく解りましたね。 ええ、もうイヤってほどに。 っと、失礼どうでもいい過去話が長くなりました。

 
 しかし、こうやってみると気に入ったエピソードってどれも夕ちゃん先生がキーキャラクターになっている話ばかりですなー。 つうか夕ちゃんの先生っぷりがスゲーといいますか。 そりゃ、生徒にも(カタチはどうあれ)慕われますわ。


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 ふおんコネクト! (3) (まんがタイムKRコミックス) 

*1:ついでに場所ごとに形勢されるコミュニティをチェックしていくのも面白く。 意外な場所に意外な人物が繋がっていたり。

*2:※痛んだところを踏むと割れる。コントでありがちなネタをガチで経験しましたよ?

*3:※ちなみに部屋の正体はかなり昔に廃部になった写真部の部室兼暗室。ファイルされているのが白黒写真ばかりだったのに年月を感じさせられましたわ。